ニュース

ニュース・トピックス

教育講演会を行いました

  • 教育講演会を行いました
  • 教育講演会を行いました

11月18日、畿央大学理学療法科准教授 福本貴彦先生を講師にお招きし、「園児の体力に関する脳と体の発達について」というテーマで、教育講演会を行いました。
角田園長より福本先生との出会いについて「本園で取り組んでいる、わんぱくの森での外遊びの効果として、『体を動かし体力をつけることで、どんな変化があるのか、見える化したい。』という方法をを考えていた時に、福本先生と出会いました。今日は、脳と体の発達の関係について、お話しいただきます」という紹介があり、講演会がスタートしました。

ご自身の経歴や活躍されている分野について、主にスポーツの分野を専門とされていて畿央大学で教鞭を執られるかたわら、理学療法士としてプロスポーツ選手のサポートや指導もされています。

まず、脳の発達についてのお話から始まりました。人間は生まれてから脳が発達する珍しい動物だそうで、生後2歳までどんどん大きくなり、2歳児の時点で脳の大きさは大人とほぼ同じなのだそうです。この2歳児までの間に無意識の動きから、意識的な動きができるように、脳と筋肉のネットワークが構築され、「ボールを掴んで投げる」という動作が意識的にできるようになるそうです。そして、興味深かったのが脳の運動を司る部分と、絵を描いたり会話をしたりといった、イメージを表現する時に働く脳の部分が近く、とても関係が深いということ。さまざまな刺激や学びによって、脳は発達していくそうです。プロスポーツ選手も行っているという脳活トレーニングを実際に行いながら、体力に関する脳のメカニズムについて、分かりやすくお話ししていただきました。

脳のことが少し分かったところで、体の発達についてのお話です。足指の握力が強いと、瞬発力が高くなったり、走るのが早くなったりと、さまざまな運動機能の発達に関係があると説明してくださいました。現代の子どもは昔に比べ、足の握力が低下し、指を器用に動かせないというデータが出ているそうです。そこで、ゲーム感覚で自宅でもできる、足指の運動などを教えていただきました。外反母趾や偏平足といった足のトラブルも、足の握力を鍛えることで改善するそうです。
福本先生は「脳の発達と足の発達の関係は深く、身体の発達にも大きく影響してきます。ご紹介したような遊びの中で、楽しくトレーニングをしながら鍛えていただきたいです」と保護者の方に訴えかけられました。

保護者の皆さんもゲームや脳トレに積極的に参加してくださり、とても興味深いお話の内容で、あっという間の90分でした。

最後に角田園長から「下半身の筋肉だけでなく、足の握力がこんなにも体の発達に関係しているとは思いませんでした。外遊びの重要性を改めて実感しています。大地を両足でしっかりとふみしめて、たくましく成長してもらいたいです」と挨拶をして、この日の講演会は終了しました。