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教育講演会を行いました

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6月19日(水)、保護者の皆様を対象に、『知ってみよう香害のこと~柔軟剤、合成洗剤など、私たちの身近に潜む香りの問題~』というテーマで教育講演会を行いました。講師は3児の母親でもある木村真美さんです。

 『香害』とは、化粧品や香水、柔軟剤、制汗剤、芳香剤、合成洗剤などの強い香りを伴う製品による健康被害のことです。ニオイの好き嫌いの問題では無く、これらの製品のニオイの元になっている化学物質によって、頭痛やめまい、目や喉の痛み、咳、吐き気などの様々な症状が引き起こされます。近年、香りの強い柔軟剤が増え、国民生活センターへの相談件数も増加しています。

 とくに現在、問題視されている柔軟剤については、その合成香料成分がマイクロカプセルの中に閉じ込められていて、摩擦などの刺激でそれがはじけ、香りが広がるようになっています。有害な化学物質で作られているマイクロカプセルの大きさは、花粉や黄砂より小さく、はじけた後はそれらの有害物質が大気中を漂うことになります。これらの有害物質は呼吸によって体内に取り込まれ、そのような柔軟剤や合成洗剤を使って洗濯した衣類を着用すると、有害物質が経皮吸収されるおそれもあります。また、柔軟剤のキャップ1杯には、このマイクロカプセルが約1億個含まれており、排水に流れた後は回収が不可能になっています。

 合成香料やマイクロカプセルに使用されている化学物質は、様々な健康被害の症状がでる「化学物質過敏症」を引き起こします。新潟県立看護大学が行ったアンケート調査によると、現在、小中学生の12%に化学物質過敏症の兆候が見られるとのことです。講演会では、クラスメートの柔軟剤などの香りによって同じ教室で勉強することができない小学生など、化学物質過敏症に苦しんでいる方々のドキュメンタリー映像も見せていただきました。

 木村真美さんは講演の最後に、「柔軟剤や合成洗剤に使われる香料・化学物質が、今後さらに環境や人間にどう影響を及ぼすか、今のところ、わかっていないことが怖いと考えています。知ることで変えられる未来があるなら、私は知ることを選び、皆さんと共に健康に生活していけることを願っています。」と、話されました。

 続いて質疑応答が行われ、参加者の皆さんからは、お子さんがアトピー性皮膚炎を発症し、使用する石鹸などをどうすればよいかというご質問や、すでに合成洗剤を使わずに洗濯されている方の具体的な洗濯方法のお話、ご出産を機に化学物質過敏症を発症された方など、参加されていた保護者の皆さんからも、貴重なお話をたくさんうかがえました。

 講演終了後の挨拶で角田園長は、「今日は木村真美さんに、お母さん目線で話していただいたことは、たいへん胸に響きました。保護者の皆さんも同じ母親として、考えられることも多かったのではないでしょうか。誰かが困っていることを解消していくことは、みんなにとってプラスになる優しい環境をつくることだと思います。奈良文化幼稚園でも、本日とりあげられた問題について皆さんと一緒に考え、もし、改善点があれば教えていただければ助かります。」と、話しました。